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1on1で創るウェルビーイングな能力開発

はじめに

新型コロナウイルス感染症によって社会が変動し、組織も戦略の見直しを迫られ、激動の局面にある時代背景の中で、リーダーの内面にはかつてないほどの揺らぎが生じています。

マネジメントやリーダーシップの分野では、時代の変遷に伴って、組織の肥大化やトップダウンの限界といった新たな課題が生じ、それに呼応するように「権限委譲」や「コーチング」といったソリューションが提示されてきました。MSC/DDIの「グローバル・リーダーシップ・フォーキャスト2021」調査からは、タスクニーズよりもヒューマンニーズを重視し、「共感」や「つながり」を求めるリーダーが増加している状況がうかがえます。さらにその先には、物質的な成果よりも精神的な充足感を重視し、自分らしいあり方を追求しようとするウェルビーイングなリーダーが数多く出現していく未来が予測できます。

「社会構造の変化に伴って変遷するリーダーの課題とソリューション」

これからの時代、組織の業績目標を達成することに軸足を置いた「タスク重視型の能力開発計画」では、リーダーの主体性を引き出していくことは困難です。

今後は、リーダー一人ひとりの個性を尊重し、充足感や幸福感を高めることに軸足を置いた「ウェルビーイングな能力開発計画」のニーズがより顕在化していくでしょう。

それに伴い、これまでの「求められる能力をいかに発揮するか」といった考え方から、「自分の個人特性に合ったオリジナルな能力をいかにデザインするか」ということを重視する方向性へと能力開発の軸足をシフトしていくことが求められます。

「求められる能力を磨く時代から、自ら発揮したい能力をデザインする時代へ」

VUCAの時代に適応するレジリエンスを強化するためにも、「コンピテンシー」だけではなく、リーダーの「個人特性」にいかに寄り添い支援していくかが、人材育成上の大きな課題となっています。

「個人特性」は、その人が持って生まれた気質や、発達段階で身につけてきた傾向性とも言えるので、根深く、変えることが難しく、能力開発の観点からはあまり語られることがなかった要素です。

しかし、言い方を変えれば、変えにくい根っこの部分だからこそ、「個人特性」にはリーダーを劇的に成長させるポテンシャルが秘められています。「個人特性」にフォーカスした能力開発は、長い目でみれば、行動だけにフォーカスした「コンピテンシー」ベースの能力開発の成長率を圧倒的に凌駕する可能性があるのです。

そのような背景を踏まえ、MSCのコンサルタントが1on1セッションの中で、どのようにリーダーの「ウェルビーイングな能力開発計画」の作成を支援しているのか、具体的な事例を交えながらご紹介します。

移行期のリーダーが抱える悩み

MSCでは、アセスメントを受講されたリーダーの皆さんを対象とした「フィードバック面談」を数多く提供しています。「フィードバック面談」は、アセスメントを通じてリーダーのセルフアウェアネスを高め、今後の能力開発テーマを設定する目的で実施する1on1のコーチング・セッションです。

社外の第三者とはいえ、初対面の相手に対して本音を語るのは相当の勇気がいるはずです。しかし、心理的な安全性に十分配慮した上で、傾聴に重きを置いた1on1を実施すると、多くのリーダーが、内面に抱えたさまざまな悩みを打ち明けてくれます。

新たなキャリアの局面を迎える移行期のリーダーに、自身のキャリアの方向性について伺うと、

  • 「組織からマネージャーになるよう期待されているが、あまり前向きになれない」
  • 「リーダーとして人やチームを率いることに自信が持てない」

といった悩みが頻繁に挙がってきます。

図1:移行期のリーダーが抱く不安や悩み
1on1セッションで本音を引き出すと、多くのリーダーがこのような悩みを抱えています。

アセスメントでの発揮能力が高く、一見ハイパフォーマーに見えるリーダーでさえ、内面には「自分にリーダーとしての役割を果たせるのだろうか」という葛藤を抱えていることがあります。

このようなリーダーには、行動としての「コンピテンシー」だけではなく、内面の「個人特性」にフォーカスしてセッションを提供する必要があります。

サクセス・プロフィールの一角を占める「個人特性」の重要性

MSC/DDIが提唱する概念に「サクセス・プロフィール」というフレームがあります。リーダーがパフォーマンスを高める上で必要となるエッセンスを抽出すると、大きく「知識」「経験」「コンピテンシー」「個人特性」の4つの要素に分解できるという考え方です。

図2:リーダーがパフォーマンスを発揮する要素を網羅した「サクセス・プロフィール」

このうち、左側の「知識」と「経験」は、「特定の業界」や「特定の職場」で必要となる専門的な知識や経験と考えてください。例えば、製薬会社に勤めているのであれば、製薬業界特有の専門知識や経験が、成果を出す上で必要になってきます。あるいは、財務部門に所属しているのであれば、職場で成果を出すために、財務・会計等の専門知識や経験が必要になってきます。

一方、右側の「コンピテンシー」と「個人特性」は、業界や職種を問わず活かせるポータビリティの高い要素と言えます。

「コンピテンシー」は、専門的な「知識」や「経験」が活かせないような未知の問題に直面したときに、「リーダーとして何ができるのか」といった行動面にフォーカスした要素です。ビジネスの場面では、行動することで初めて成果を出せる場合が多いため、「コンピテンシー」を高めることがパフォーマンスを発揮する上で不可欠になってきます。

しかし、1on1を通じて感じる印象は、最近のリーダーが直面している壁は、「コンピテンシー」よりも、「個人特性」にあることが多い、ということです。

コンピテンシーは高く、個人特性が低いリーダーたち

弊社では、コンピテンシーを測定するManager ReadyⓇ(MR)と個人特性を測定するリーダーシップ・インサイト・インベントリー(LII)という2つのアセスメントをセットでご提供する機会がよくあります。その結果からも、「コンピテンシーは高いのに、個人特性が低いリーダー」が数多く存在することがわかります。

図3:コンピテンシーと個人特性のマトリックス

横軸にコンピテンシー、縦軸に個人特性を置いて、リーダーのアセスメント結果をマトリックスで表示したもの。右下にクラスターが存在し、コンピテンシーが高く、個人特性が低いリーダーが多く存在することがわかります。

「コンピテンシー」が外側から見えるリーダーの行動面にフォーカスしているのに対し、「個人特性」は、リーダーの内的側面にフォーカスしています。すなわち、「その人は、どんな人なのか」といった性格的な要素や、「何を好み、何を嫌悪するのか」といったモチベーションや価値観、信念に起因するその人個人の傾向性を表すものです。

「個人特性」は、その人が持って生まれた気質や、発達段階で身につけてきた傾向性とも言えるので、根深く、変えることが難しく、能力開発の観点からはあまり語られることがなかった要素です。しかし、言い方を変えれば、変えにくい根っこの部分だからこそ、「個人特性」にはリーダーを劇的に成長させるポテンシャルが秘められています。詳しくは後ほど述べますが、「個人特性」にフォーカスした能力開発は、長い目でみれば、行動だけにフォーカスした「コンピテンシー」ベースの能力開発の成長率を圧倒的に凌駕する可能性があるのです。

新型コロナウイルス感染症によって社会が変動し、組織も戦略の見直しを迫られ、変動の局面にある時代背景の中で、リーダーの内面にはかつてないほどの揺らぎが生じています。

昨今のVUCAの時代に適応するレジリエンスを強化するためにも、リーダーの「個人特性」にいかに寄り添い支援していくかが、人材育成上の大きな課題と言えそうです。

リーダーの「個人特性」を重視するパーソナライゼーション時代の到来

MSC/DDIの「グローバル・リーダーシップ・フォーキャスト2021」調査では、リーダーが最も望む学習手法として「社外コーチによるコーチング(48%)」が一位にランキングされました。

図4:リーダーが最も望む学習手法

この背景には、より「パーソナライズされた学習経験」に価値を置き、それを求めるリーダーが増えている可能性を物語っています。

私自身も、リーダーの方々に1on1セッションを提供する中で、これまでの「組織から期待される役割を果たすために、求められる能力を磨く」という発想では、リーダーの自発的成長を促すことは難しいのではないか、ということを実感しています。

今後数年をかけて、これまでの「求められる能力をいかに発揮するか」といった考え方から、「自分の個性に合ったオリジナルな能力をいかに発揮するか」ということを重視する方向性へと能力開発の軸足がシフトしていくことが予想できます。

そんなパーソナライゼーションの時代にふさわしい能力開発とはどのようなものなのでしょうか。

コラムの見出し一覧

  • 弱みから強みを発掘する
  • 大切にしている信念を明らかにする
  • 自分の信念を軸にありたい姿を描く
  • 個人のビジョンと組織のビジョンをつなげる
  • 見返りの大きい能力開発領域を絞り込む
  • ウェルビーイングな能力開発計画
  • 質の高い内省の習慣 がリーダーの「個人特性」を磨き、行動変容を促す
  • 「個人特性」の変化がもたらす指数関数的な成長
  • ほとんどのリーダーが真の1on1セッションを受けた経験がない