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苦手なフィードバックを克服するための5つの秘訣
新型コロナウイルスの影響により、従業員の働き方は大きく変化し、在宅勤務やオフィス以外で勤務など、リモートワークが急速に定着しつつあります。そのような中、マネジャーは部下のパフォーマンスをオンライン上でどのようにつかんでいるのでしょうか?
リモートワークにはメリットとデメリットがあり、当然賛否の意見があります。経営幹部やマネジャーからは、「部下や従業員がどのように働いているのか見えない」、一方、部下からは「結果を出せばいいだろう」「業務上の進捗しか問われない」「実際やっていることを本当に上位者が見てくれているのか不安」等々の意見が最近よく聞かれるようになっています。
働き方改革を通じた生産性の向上は、ここ数年、特に日本企業に求められ、各社が模索しながら進めてきました。その試行錯誤のさなかにコロナ禍によって強いられた今日の環境変容は、経営サイドにも従業員にとっても、充分な準備のないまま急にやってきた受動的な変化といえます。
仕事に対する評価は、相対的かつ多面的な性質を有しているものです。
外注に対しては依頼した仕事の成果、すなわち結果が一番の評価指標となりますが、従業員に対しては、業務成果という結果だけで測ることはできません。そのプロセスにおける業務の進め方や取り組み、個々の能力の発揮度、勤務態度ややる気などの行動・情意も細やかに評価する必要があります。
そのために求められるのは、成長や能力開発を前提とした「質の高い対話」。それは、対面であろうが、オンラインであろうが同様に要求されるマネジメント行動です。
我々の経験では、マネジャーは、本人の成長を促進するための業務や任務のアサイン、支援には力を注いでいるものの、業務の進め方や取り組みに対するリフレクション(振り返り)を促す力は不十分であるケースが多く見られます。つまり、結果を出すためのアドバイスはしますが、部下の行動や能力面に対するフィードバックは非常に少ないのです。本来、結果を出すための思考を含む行動面の振り返りが鍵になるにも関わらず、当人もマネジャーも目標や課題に対する結果ばかりにフォーカスし、行動や能力面については疎かになっていることが多いのです。
このことは、突き詰めれば「フィードバック」の文化に関わってくることだと考えられます。フィードバック文化が定着している企業の従業員満足度調査(ES調査)を見ると、総じてエンゲージメントが高く、従業員がキャリアに対して主体的に行動しており、生産性も高いという結果が得られています。
リモートワークの継続が求められる今だからこそ、フィードバック文化の定着は取り組むべき優先課題といえるでしょう。
また、「グローバル・リーダーシップ・フォーキャスト2020」の調査報告からも、興味深い結果が出ています。上位者と部下が1対1で行う一日当たりのミーティングの平均時間は、コロナ以前は1.7時間だったのに対し、アフターコロナのリモートワーク下では2.5時間に急増しているのです。その理由は、ちょっとした対話から業務上の確認や関係構築を図ることができたオフィス環境とは異なり、リモートワークというバーチャル環境では、意図的に対話の時間をつくらなければならないためです。
自宅というプライベートな空間では、リモートワークに勤しむ部下の身近で子どもたちがホームスクーリングをしているなど、さまざまな状況が考えられます。そうした家庭事情、労働環境事情にも配慮しながら、部下とのコミュニケーションの時間を増やし、フィードバック文化を定着させていくこと。それも、アフターコロナのマネジャーに求められる重要なマネジメント行動と考えるべきでしょう。
フィードバックの文化を根付かせる5つのポイント
互いの信頼関係がある
上司・部下の関係性の中で、互いに尊重し、意見を発展させるような間柄になっているかどうか。上意下達になっている場合や業務だけの指示になっている場合は要注意です。アプローチを考え直してみる必要があるでしょう。
タイムリーな対話
フィードバック文化が根付いている会社は、毎週定期的に部下と面談をしています。多くの日本企業のようにフィードバック面談を制度上の半期に一度とするのではなく、細かく対話をすることで、部下の成長を促していきます。
上位者はヒアリング上手
ある業務の成果にいたるプロセス(行動・能力面)を含めて、丹念かつ効率的に聞きましょう。業務報告の中で、結果だけに焦点が当たっている場合は要注意です。行動を促進したり、改善したりするなど、具体的なフィードバックができていない可能性があります。
具体的にアドバイス(フィードバック)する
何が良かったのか、改善が必要なのか、ヒアリングの中で具体的に指摘することが大切です。結果に対する評価だけになっている場合は、次なる改善に結び付きにくくなります。
部下からもフィードバックを求める
「上位者(幹部)にもフィードバックを求めてもよいのでしょうか?」と、ある企業の部長クラスの方に聞かれたことがありましたが、「フィードバックを求めるのは当然の権利ですよ。良い点、改善点を含めてプレゼントをもらってください」とアドバイスしました。
業務上での課題や不安などを解消する意味でも、自分の行動をまずは振り返り、適切にアドバイスを受けるよう習慣化すことが大事です。
それでは、上位者と部下が互いにフィードバックを実践していくうえで、具体的にはどのような点に留意すべきなのでしょうか?
効果的なフィードバックの方法を知りたい方はぜひ、コラム『苦手なフィードバックを克服するための5つの秘訣』をご覧ください。