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2020年 注目のリーダーシップ関連トピック トップ10

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2020年がスタートし、今後10年間に起きうる変化に期待が高まっています。HRおよびリーダーシップ分野において、影響力の高いトップインフルエンサーたちは、今年リーダーが新たな職場の変化と対峙することになると予測しています。そして2020年のリーダーシップに関する注目トピックも、引き続き「技術変化の加速」「顧客の期待の高まり」「ハイパーコネクティビティ」で構成されています。

DDI社では過去5年にわたり、トップインフルエンサーたち(本稿末尾の一覧参照)のSNSデータを追跡および分析し、その年のリーダーシップに関する注目トピックランキングを発表してきました。今年は、今最も注目の話題に加え、この5年間常に注目されてきたトピック、そして一度消失し、再度浮上したトピックもランク入りしています(下図参照)。

2020年  注目のリーダーシップ関連トピック トップ10 ワードクラウド

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ソーシャルメディアにおけるインフルエンサーたちの発言や投稿をもとに順位付けした2020年のランキング上位は、次の10トピックです。

1.人工知能(AI)

浮上しては消えゆくトレンドもある中、AIへの注目度は過去5年にわたり高まり続けています。事実インフルエンサーたちによるAI関連の言及数は年々倍増しており、ランキングも急上昇しています。

AIおよび機械学習(マシンラーニング=ML)は、有効な事例が公表されるまでに時間を要しましたが、ビジネスの場において有益な情報をもたらし、人間の代わりに体系的な意思決定を行うなど、次第にその利用は増えています。HR部門にとっては、AIを利用したより適切な人材募集、採用、パフォーマンス・マネジメント、個々に合わせた能力開発などを導入する新たな機会と捉えられます。

成功を収めている企業にとって、今後必要となるリーダー像とは、社内ツールの開発やベンダーへの外注、あるいは新人採用などについて、AI戦略に生かすべく、最適な機会を判断していける人材です。包括的なAIの活用には起業家感覚とビジネス手腕、そして今なお人間の判断が最も重要な分野を認識できる能力が必要となります。

2. 文化

企業の真髄となる「文化」は、リーダーと従業員がどのように対話し、協働していくかを方向づけるものです。このトピックは毎年ランク入りしていますが、今年もトップインフルエンサーたちから大きく注目され、上位に位置づけられました。企業がより革新的に、テクノロジー主導型で、社員を重視し、かつオープンであるための原動力として、「企業文化」はインフルエンサーたちから支持されています。彼らの共通テーマは、社員がポテンシャルを最大限発揮できるような、オープンで魅力的な文化を企業が構築することの必要性です。個々人の貢献の価値を理解し、ポテンシャルを引き出せるようなリーダーは、部下が自分のアイデアや意見が受け入れられていると思えるだけでなく、はぐくまれていると感じられるようなインクルーシブな社風を創るのに重要な役割を果たすことでしょう。

3. 従業員体験(Employee Experience=通称EX)

従業員体験は昨年ランク入りしましたが、今年も従業員の満足度やエンゲージメント、およびパフォーマンスなどの向上を目指す企業にとって注目のトピックとなっています。

この最先端に位置づけられるのはフォーチュン誌が選ぶ働きがいのある企業ランキングの上位にランク入りしているような企業、すなわち公平性や平等性、あるいはイノベーションを促進するような文化を構築している企業です。このように素晴らしい職場においてリーダーは、部下の成長と能力開発を最大限可能にするのに必要な支援やガイダンス、あるいはコーチングを提供するスキルを身につけています。

4. データ

キロ、メガ、ギガあるいはテラですら、データを表す単位としては過去の物、という事実が、このトピックがいかに大きなものになったかを示しています。今年、デジタルユニバース(地球上で生成されるデータ全体)は44ゼタバイトに到達しようとしています。総データサイズはもちろんのこと、それらがどのように保護されているのかを想像するだけでも気が遠くなります。

企業にとっては、データのセキュリティおよび品質にかかわる意思決定を導くことができるリーダーの必要性が高まってきています。さらに、大多数のAI機器が、精度を高め、アドバイスや戦略を伝えるために質の高いデータを必要としています。そのため、チーフ・データ・オフィサー(最高データ責任者)の役職を新設し、急速に価値の高い資産となったデータを、確かな戦略のもと最大限活用するという企業もあります。

5. 変化

今日のビジネス環境において、以前は比較的に不変であったものが変動し続けています。インフルエンサーたちが過去5年でたびたび指摘してきたように、変化は常に起こりうる当たり前のことになりました。変化がリーダーの仕事に与える影響を見る限り、成功するための事業戦略や人材戦略において発想の転換が必要にせまられているようです。

しかしながら、複雑に変わり続ける昨今の環境下において、変化に対する戦略が功を奏するケースはわずかしかありません。状況にうまく対応していくには、変化に対する他者の抵抗に然るべく反応し、チームメンバーが当事者意識を持つように働きかけられるリーダーが必要となります。

6. アナリティクス

アナリティクスに対するインフルエンサーたちの今年の注目は、数字に限った話ではなく「人」。具体的には「ピープルアナリティクス(People Analytics)」です。アナリティクスは過去にもリーダーシップ注目トピックとして取り上げられましたが、今年に関しては企業がいかにしてアナリティクスを活用し人材戦略を強化するか、という話題がより多く見受けられました。

高い影響力を持つ最新の人材育成プログラムによって、リーダーはデータに基づく客観的な判断を行うようになります。これにより企業側も継続的な診断結果を通じ、将来必要となる人材像を先入観のない最新の情報をもとに方向づけていくことが可能になります。

7. ダイバーシティ(多様性)

職場におけるダイバーシティは今年もリーダーシップに関する注目トピックにランク入りしていますが、このトピックは企業戦略およびサステナビリティ戦略と、ますます深く関連づけられてきています。そしてダイバーシティとともに今年注目されているのが「インクルージョン」です。

Great Place to Work(働きがいのある会社)の最新調査」によると、多様性に富み、排他的でない(インクルーシブな)社員が働いている企業は、不況を乗り越え成功していくと示唆しています。ダイバーシティは非常に重要な分野ですが、この取り組みにはインクルージョンの促進にも踏み込まないと、有意義な変化を生み出したり、あるいは生み出した変化を持続させたりすることはできないと、企業側の理解も次第に高まっています。

8. 生産性

業務の変化の速さを考えると、生産量とスピードの向上に対する期待は高まり続けています。インフルエンサーたちは、今年このトピックを方向づけているものが、新たな効率性とスピードを促進させるためのテクノロジーツールと、人的生産性の向上であると認識しています。AI主導型のテクノロジーによって、社員のパフォーマンス向上、およびタイムリーな情報や助言の提供によるリーダーの迅速な意思決定支援が期待されています。

9. 自動化

さまざまな業界において、自動化は急伸していますが、今もってクリエイティブな仕事や対象範囲が広いような業務については、人間にとって代わるには至っていません。AIやMLを含む先進技術を適用し、プロセスをさらに自動化させ人間を増補するというテクノロジーは、ガートナーの2020年戦略的テクノロジー・トレンドの中でも、超自動化として言及されています。このような変化は2020年以降、従業員の能力向上に影響を与え続けることでしょう。

10. ウェルビーイング(Well-Being)

5年間で初めてウェルビーイングが注目トピックに躍り出ました。現代の働く人々は協業がきわめて多く、テクノロジーの進化により常に稼働状態になる職場環境に置かれており、企業が従業員のストレスや燃え尽き症候群をいかに上手くコントロールするかが注目されつつあります。そういった状況を踏まえると、このトピックのランク入りは当然といえるでしょう。先進的な企業では、柔軟性を促進する様々な取り組みを通じ社員のウェルビーイングを推進しています。このトレンドが続き、働く時間や場所に柔軟な選択肢が取り入れられ、10年後には職場が今より健康的で好ましい場所になることが期待されています。

デジタル社会の中で

5年間で初めて「デジタル」というトピックがリーダーシップに関する注目トピックTOP20の圏外となりました。その理由は明白、「デジタルが当たり前になったから」です。

さて、来年に向けてこのランキングはどのような意味を持ち、リーダーの仕事の性質やビジネスはこの先どう変化していくのでしょうか。将来は誰にも予測できませんが、明らかに言えることは、10年後に成功しているためには、ビジネスに関与しているすべての人々 – さまざまな世代、地域を超えた消費者、従業員 – にポジティブな体験を提供できるよう、ひたむきに注力することが必要とされています。

これらのトレンドが自身の会社にとって持つ意味を積極的に考えようとするリーダーは、難局を乗り切り、将来の成功を生み出す態勢をしっかり整えることができるといえるでしょう。

以下は、2020年のリーダーシップに関する注目トピック トップ10をまとめるために、ツイートが分析されたインフルエンサーのリストです。

Abhijit Bhaduri

@AbhijitBhaduri

Adam Grant

@AdamMGrant

Cheryl Cran

@cherylcran

Dave Ulrich

@dave_ulrich

David Green

@david_green_uk

Ester Martinez

@Ester_Matters

Laszlo Bock

@LaszloBock

Heather Huhman

@heatherhuhman

Trish McFarlane

@TrishMcFarlane

Jacob Morgan

@jacobm

Jeanne Meister

@jcmeister

Jim Stroud

@jimstroud

Soumyasanto Sen

@soumyasanto

Josh Bersin

@Josh_Bersin

Susan LaMotte

@SusanLaMotte

Meghan Biro

@meghanmbiro

Sharlyn Lauby

@sharlyn_lauby

Stacy Donovan Zapar

@StacyZapar

Steve Boese

@SteveBoese

Gordon Tredgold

@GordonTredgold

原文はこちらをご参照ください。