次世代リーダー育成のために、企業は何をすべきか
～医療業界トップ企業 H.U.グループホールディングスの覚悟と挑戦～

---

次世代経営人材をいかに見極め、育成するか――企業の持続的な成長のために避けては通れない課題です。臨床検査・検査試験薬事業を軸に、ヘルスケア領域に幅広く事業を展開するH.U.グループホールディングスは、医療業界のトップを走る企業として次期社長候補者の選定と育成に積極的に取り組んでいます。

今回その取り組みについて、H.U.グループホールディングス株式会社 代表執行役会長 兼 社長 兼 グループCEOの竹内成和氏に、株式会社マネジメントサービスセンター エグゼクティブコンサルタント 遠山雅弘が話を聞きました。（以下敬称略）

---

立ち止まれば時代に後れをとる。だからこそスピード感が重要

遠山：本日は、H.U.グループホールディングス様の次世代経営人材の育成についてお伺いしていきたいと思います。以前、弊社のアセスメントをご利用いただくにあたり、最初のステップとして、御社のリーダーがこれから直面するであろう課題、すなわち「ビジネス・ドライバー」を設定して提示させていただきました。これは、事業戦略や文化戦略を踏まえたうえで人材要件やアセスメントの設計を行う前提となるものです。その際に、竹内社長にインタビューさせていただきましたが、「業界が規制等でなかなか変わっていけないなか、自社の経営人材はその先頭に立って変えていかないといけない。そして新しい技術をちゃんと取り入れ、それを使って進んでいくことが必要」とおっしゃっていたことが印象に残っています。まずは業界トップ企業として、そのお考えについて改めてお聞かせいただけますでしょうか。

竹内：医療業界は、歴史ある業界です。そのため、どうしても古い体質が残ってしまっています。当社は業界トップではありますが、その立場に甘んじていては世の中の進歩に取り残されてしまいます。私は「下りエスカレーター理論」と名付けていますが、世の中は絶えず進歩しています。

それはつまり、常に逆風が吹いているということです。立ち止まってしまったら、下りエスカレーターのようにどんどん流れに押し流されて下に行ってしまいます。その逆風下でも上に行きたいと考えるなら、走るしかありません。スピードが重要です。スピードがあれば、一度失敗したとしても、やり直すチャンスがあります。

遠山：確かに、先んじてやっておけば修正も早くできますね。

竹内：それに、いくらいいアイデアでも、先んじて取り入れていかなければ、結局は世の中に後れを取ってしまいます。また、トップが意思決定をする際、「情報を十分与えてくれないと判断できない」という人がいますが、それは完全な間違いだと思います。十分な情報を得て動き始めたときには、他の会社はみんな取り入れてしまっているでしょう。3～4割の情報で動く判断をしなければならないのです。

そうなると、おそらく打率は落ちます。それでも、世の中の流れの速さを考えると、手を付けないといけません。だからこそ、トップには少ない情報で意思決定ができるだけのセンスと、常日頃から情報にアンテナを張っておくことが不可欠だと思います。

この後、下記のトピックが続きます。

・スタープレイヤーだけの力では限界がある

・大きな組織を動かすために求められるリーダーシップの考え方

・トップマネジメントは普通ではいけない～「一か八かの人材を抜擢」の真意

・後継者に必要な3つの要素とは？

・後継者育成に「アセスメント」を活用する意義

続きは、記事をダウンロードしてご覧ください。

記事の続きはこちら

---

対談者プロフィール