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三井化学株式会社 様

女性が抱えるリアルな課題を実効性ある取り組みにより解消

人事部
ダイバーシティ推進室長
安井 直子(やすい なおこ)様


本流での女性登用が重要

伊東:安井さんは、元研究者でいらっしゃいますよね。安井さんのキャリアについて教えてください。

安井:入社から17年間、農薬の研究をしていました。

私が入社した当時は、今でいう地域限定職のような形で大卒の女性研究職を採用していました。私もその一人でした。当社に限らず、技術系人材を多く採用している企業によくあることだと思いますが、技術系で入社した人が“文転(事務系職種へのキャリアチェンジ)”することがしばしばあると思いますが、私もそうしたキャリアを歩んできた一人です。
40歳を目前にそろそろ違う仕事をしたいと思って本社への異動を希望し、それが叶ったタイミングで妊娠が分かりました。有機溶剤を大量に扱う職場にいたため、今思うとちょうどいいタイミングでの異動でした。そこで農薬の新製品の研究管理や、農薬事業の経営企画に携わりました。その後、チャンスがあり官民交流の一環で2年間、文部科学省に出向しました。入社以来ずっと農薬事業にしか携わったことがなかったため、文科省での経験は刺激的でした。情熱のある優秀な若手官僚や、NPO、地方の教育に携わる方々等の出会いを通じ、国が向かう方向性を意識するようになりました。特に、「女性活躍推進」については社会的な必要性や国の本気度を強く感じ、これは今後企業にも何等かの影響があるだろうと感じました。
出向期間中に学んだ女性活躍推進に関わる情報を人事部と共有していたことがきっかけで、ダイバーシティ推進室を立ち上げた際に室長に指名されました。 

伊東:製造ラインを含めると、特に本業のビジネスにおいて女性の活躍が進みづらい業界かと思いますが、ダイバーシティ&インクルージョンに関して、今、どのような取り組みをされていて、どんな課題をお持ちですか。

安井:私の現在のミッションのメインは、女性活躍推進と障害者雇用です。
障害者雇用については、特例子会社を設けるのでなく、各部署に配属し活躍してもらうことで、職場の中へのインクルージョンを進めています。当社には優しくて面倒見がいい人が多く、障害者雇用では、そのことがポジティブに働いています。各職場では、障害者枠の採用だからといって定型業務だけをさせるのではなく、本人の適性を考慮した職場に配属し、配属後も業務に必要なスキルを身に付けさせたり、勉強の機会を与えたりと、育成しようという意識が強いところが当社の強みだと思っています。障害者雇用率は全社で2.2%と、法定の2.0%を超えた雇用ができています。

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一方、女性活躍推進に関してはまだまだ褒められたものではありません。現状、女性管理職比率は2.2%で、女性活躍推進法への対応を検討し始めた2015年秋には1.7%でした。女性活躍推進法対応の数値目標では、確実に達成できる数字を目標に、ということで17年度末に2.5%を掲げており、今年度中に達成できそうな状況です。
採用については、事務系で40%以上、技術系で15%以上を女性とする目標を掲げています。過去を振り返ると、景気が悪い時は、採用人数を抑えていましたが女性はことさらに採用数を抑えられている傾向がありました。コンスタントに採用していかないと、人数の少ない世代ができてしまい、女性管理職を育成し増やしていくうえでも無理が生じるため、採用比率に目標を掲げました。
事務系人材の採用では、昨年、今年と約半分が女性です。しかし技術系人材では、工場の製造現場で働くことを希望する者は少ないことが課題です。弊社では新卒採用の約8割が技術系であるため、技術系で女性を多く採用できないと女性社員比率が上がりませんし、管理職への人材のパイプラインも細くなってしまいます。当社の心臓部である技術系職場での女性の管理職の育成は難しいのが現状です。また、当社に限らず製造業でありがちなことだと思いますが、技術系で採用した人材がキャリアを積む中で所謂“文転”をし、営業や人事、管理業務等の事務系職種にキャリアチェンジすることがあります。そのため技術系女性の採用は幅広い職場に女性の活躍の場を作ったり、先々の管理職を育てたりしていくうえでも重要です。
私は、真の女性が活躍している企業というのは、ただ女性管理職を増やしたり、一部の部署に女性を重点的に配属したりするのではなく、会社全体で、あらゆる職場、あらゆる職位で女性が活躍していなければならないと考えています。例えば現在は男性がほとんどの工場のオペレーターなどにも女性が増えていかないと、女性活躍活動の全体の底上げにならないと考えています。

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社員の“優しさ”が女性活躍の障壁に

安井:工場のオペレーターは、三交替勤務であり、有害物質を取り扱う業務も多く、力仕事や高所作業もあります。ここでは、当社の男性社員の優しさがネガティブな方向に働いてしまいます。女性自身が「できます」と言っても、工場の年配者たちに「危ないから、下がっていなさい」と言われてしまうのです。それが優しさと分かるから、女性も強く反発できません。その結果、任せてもらえない物足りなさから退職してしまう女性も過去にいたと聞いています。
実は、当社の三交替職場では、約25年前から女性を採用しています。ただ、定着率は低く、残っている人も三交替を離れ違う職種に移っています。「女性は30歳を超えたら三交替はきつい」「独身じゃないと無理」という固定観念があり、女性自身もそういうものと思い込んでいる部分もあります。 

伊東:これから人が行う仕事は、ロボット化によって仕事の内容も変わりつつあります。これは事務職だけではなく、工場のオペレーションを含めすべての職種に言えることですが、今後は、そうした変化も踏まえて、女性の活躍を考える必要があるのではないでしょうか。

安井:そうですね。当社は事務系一般職の社員採用を抑えてきましたが、過去に採用した方々が40代半ば以上になって、技能伝承が課題になっています。ただ、個人的には今後採用するうえでは、AI化も踏まえ、18歳で採用して70歳近くまで雇用責任を持てるかを考えて採用する必要があるのではないかと考えています。
工場については、ロボット化が進んで力仕事や危険な作業が減れば、今よりも女性を入れやすくなるかもしれません。

男性を含めた働き方改革が必要

伊東:最近は、女性が子どもを産んでも働き続けられる環境は整備できている企業が増えました。インフラが整っている企業は多いですが、御社はいかがですか。

安井:当社にも保育所のある工場があったり、ベビーシッター費に補助をつけていたりして、両立のための制度は充実しています。最近では出産を理由に離職する女性はいません。ただ、工場で三交替をしている女性は、両立が難しく三交替を離れ常昼勤務に降りています。地元から離れて働いている社員が多いので、親に育児を手伝ってもらうことができませんし、周りからも、「お母さんが子どもを見るのが当たり前」という雰囲気が残っている職場もあるようですので、それにあらがって仕事を続けるのは、容易ではないためだと思います。
現実問題として女性が育児をしながら三交替勤務を続けるのは大変です。仕事時間中に子どもが熱を出したりして休みを取る場合、代わりに働いてくれる人の確保が必要ですので、育児中の女性社員を今の働き方の仕組みにそのまま乗せるのが難しい面があるのも事実です。
以前、北欧に視察に行ったことがありますが、北欧は、男性も長時間労働ではなく、女性から見ても魅力的な働き方になっています。一方、日本の労働環境は、女性から見て魅力的とはいえません。また、日本の場合、親世代に「女性は家で子どもの面倒をみるのが幸せ」という考え方が根強く残っていることも女性の働きにくさを助長しているように思います。

伊東:パリに住む私の友人は、「フランスは女性天国だ」と言います。働きながら子どもの面倒を見やすく、男性のサポートも得られます。そして、フランスは、一人ひとりの価値観が違うことが前提であり、画一的な枠に入らないということが前提ですから、日本とはまったく違います。

安井:北欧で聞いたお話もそうです。女性活躍推進には、男女ともの意識改革や働き方改革が必要なんでしょうね。

女性活躍の必要性については、理解が進んでいる 

伊東:女性の活躍推進の最終的なゴールは、

ビジネスへのインパクトです。御社の経営層の女性活用についての本気度(コミットメントの強さ)を教えてください。

安井:社長は内閣府の「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」にも賛同しており、女性活躍の必要性は理解されています。ただ、これは当社の企業文化のよいところでもありますが、何事も、トップダウンというより、皆で調整しながら納得して進めてく風土があります。
昨年、工場や研究所で管理職を対象にして女性活躍推進の社会的背景を説明するセミナーを開催しました。その際、当社の女性活躍推進活動についてアンケートをとったところ、「積極的に取り組むべき」という回答が43%、「焦らず出来ることから少しずつすべき」が56%、「積極的に取り組む必要はない」は1%のみでした。しかし、採用や配属などの具体的な話に落としていくと、「必要なのは分かるが、ここで無理に推し進めるとかえってうまくいかないのでは」という声が挙がったり、「全員の納得が得られるまで待とう」と言われたりして、変革を進めづらいと感じる面があります。
ですから、特に工場では社会的課題の解決策として女性活躍推進を捉えて進めたほうが、受け入れやすいと考え、昨年実施したセミナーでは、18歳人口が減り、今までと同じように優秀なオペレーターを採用することは難しくなる、社会保障費が上がり税金が上がるのに給与は右肩上がりではなく男性だけが働いて家族を養うというモデルが通用しなくなっている、子供1人育てるのには教育費が1千万から2千500万かかる現状で共働きでないと家計は厳しい、労働人口が減少する中で、同じ教育を受け、同じ言葉を話す女性さえ活用できないのに、今後入ってくる可能性がある言葉も文化も違う外国人の労働者の活用はできないだろう、というようなことを伝えました。

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伊東:社会的背景、環境変化というところから情報提供をして、女性活躍推進を進めているのですね。現場では、女性活躍のメリットがどう理解されているのでしょうか。

安井:社会的必要性だけ語っていてはネガティブに受け取られそうですし、

メリットを理解してもらいにくい部分はあるかもしれません。一般的にダイバーシティのメリットを「イノベーション」とされますが、工場のオペレーターでは決められたことをきちっとやる人材が求められますのでイノベーションという言葉は工場の方々にはあまり魅力的に映らないようです。しかし、工場では女性が現場に入ったことで職場がきれいになった、とか明るくなった、という声を聞きます。これは女性がきれいにしたり、明るくしたりしているわけではなく、周囲の男性社員の行動が変わるのだそうです。こういったことは小さいですがイノベーションの一つではないかと私は思います。
一方、研究所や本社では、「イノベーション」が起こりやすい環境を作るためのダイバーシティが重要だと考える人は増え始めています。ただ短期間で定量的にメリットが見えるわけではありませんのでメリットを実感している人は少ないかもしれません。メリットは感じられなくても、男性に変えて女性を配属することにデメリットはない、という理解は進んできているように思います。

伊東:管理職の意識も重要ですが、ボリュームゾーンの女性たちが、「女性活躍推進=男性のように働いて管理職になれということ」と受け取らないようにすることも大事ですね。

安井:女性が今までの男性と全く同じことをすることが女性の活躍だ、という勘違いにつながらないようにしたいと思っています。男性とまったく同じ価値観を持った女性は男性と変わらないので、ダイバーシティを進めたことにならないでしょうし、ダイバーシティのメリットは享受できないでしょうね。

伊東:最近は、ジェネレーションによっても意識が変わってきています。他社では、若い世代は、入社時から男女一緒に育てられているので、女性だけ集められることに本人たちが抵抗を示すという話も聞きます。御社の場合はどうですか。

安井:工場のオペレーターの女性たちは、各工場に配属されると、同様の仕事をする女性が周囲にいないことが多いので、自分と同じような仕事をしている人が全社にどれだけいるかも分からないし、女性として将来のキャリアをどう考えていいかも分からないと話していました。「俺の背中を見て育て文化」の中で、彼女たちには見る背中がないのです。「結婚して子どもを産んで、どう仕事を続けていけばいいのか不安」「三交替の途中で生理になってつらくても周りに相談できない」など、多くの悩みを抱えているようです。昨年、現場の女性社員に面談をして回り、「女性を対象にした研修があったら、受けてみたいか」と聞いたところ、受けたいという反応でした。今年度中に社内の女性オペレーターを集めた研修を実施したいと思っています。

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リアリティのあるテーマで勉強会を開催

安井:本社では、「女性のキャリアと健康」をテーマに勉強会を開きました。先日は、更年期障害を控えたベテラン層の女性向けに、健康と仕事の両立について産婦人科医の講演を行いました。また、近く、若い層向けに、毎月の生理の話、女性の体調変化の話、女性がかかりやすい病気の話、妊娠などについて話をしてもらうことになっています。
女性向けキャリア研修を大々的に行おうとすると、男性側からは「女性だけ集める必要性があるのか?」とか、女性側からは「なぜ女性だけ集められるのか?」となりますが、こうしたテーマの勉強会を開くことには反対はなく、参加者も集まります。

伊東:一般的なキャリア研修をする企業は多いですが、現実的なテーマで大変興味深いです。安井さんのアイデアですか。

安井:現場の女性社員にヒアリングする中で挙がってきた悩みを基に企画しました。私も管理職になってからの高齢出産でしたので、出産後の体調がなかなか戻らなかったりして苦労しました。健康についての情報は、女性がキャリアを築いていくうえでとても大事だと思っています。
一般的なキャリアの研修は、社外で開催されているものを活用し派遣しています。一般的に女性は社内外のネットワークが男性に比べ少ないと言われますが、こうした社外研修への派遣は、社外のネットワークを作ることにも役立っています。社内では、当社ならではの困りごとにスポットを当てて具体的な勉強会や研修を行っています。 

伊東:現場の生の声を吸い上げて、一緒に考えながら企画して行くというアプローチは、女性自身の参画意識も高まるので、大変いい試みですね。ところで、ダイバーシティ推進室は、全員女性ですか。

安井:今のところ全員女性です。男性も入れたいと思っていますが。

伊東:ダイバーシティの観点からすると男性も入ったほうがよいですが、女性が集まって取り組むことでイノベーションが生まれやすい面もあります。

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安井:女性は既成概念や社内の駆け引きにとらわれない傾向にあるからかもしれませんね。
厚生労働省の「ジョカツ(女活=女性活躍検討)部」(2016年10 月に発足した厚労省内の政策検討チーム「女性・イクメン活躍検討チーム」の愛称)をご存知ですか。アンダー35の若手職員による活動です。課長級が集まって策を考えてもどうしても“できること”しか出てこないので、“できること”ではなく、“やらなければならないこと”を提案することが重要だ、として発足した大臣直下の活動です。女性や若者は暗黙のルールや既存の立場に縛られないことが思い切った提案をできる理由かもしれません。
しかし女性活躍推進は、「やらなければならないこと」のハードルが高すぎて、ついついできることに逃げてしまいがちですが、やらなければいけないことは何か、を意識したうえで具体的な「できること」に落とし込んでいくことが大事だと思っています。

伊東:まずやらなければならないことを明らかにしたうえで、どうやるかを考えることが大事ですね。御社の研修は、やらなければならないことを考えたから生まれた、リアリティのあるものです。

安井:女性の抱えている課題はリアルなのです。例えば、当社では、ベビーシッター費用の約3分の2を補助していますが、子育てとの両立に悩んでいる人に聞くと、使い方が分からなかったり、子どもをシッターに預けることをネガティブにとらえていて、使っていない人が多いのです。そこで、ランチ時間を利用し、使い方の具体例を紹介する勉強会をしました。
私の友人も、子供が小さいころから長くシッターさんにお世話になっていて、小学生のころはシッターさんに子どもと一緒に買い物に行ってもらったり、習い事の送り迎えをしてもらったり、親戚のおばさんのようにお世話になっているようです。シッターを使えば、習い事や平日の地元の行事への参加など「お母さんが働いているから、できない」ということがありません。私も子どもが小さいときにシッターさんにお世話になっていましたが、親や先生と違う視点でほめてもらえたり遊んでもらえたりするので、子どもの教育にとってもプラスになったと思っています。シッターに預けられることは子供にとってかわいそうなことではないと理解してもらうことで、シッターを使うようになれば、時短を早めに切り上げたり、仕事との両立が楽になったりして、働くお母さんは気持ち的にも楽になると思います。
介護の問題にも昨年度から本格的に取り組み始めました。男性よりも女性の方が介護をする可能性が高いこと、年齢的に管理職の女性が介護に巻き込まれる可能性が高いことが考えられたので、介護を理由に離職が起こると女性管理職比率にも影響が出る、と考え取り組み始めたのがきっかけです。昨年度は介護に関わるアンケートを行い、今年度はその結果をもとに介護の基礎を学ぶセミナーを開催したところ、男女問わず約100名の参加者が集まりました。5年前に同様の研修を行った際は参加者は30名程度だったことを考えると介護の問題に不安を抱えている社員が増えている現れだと思います。今後、すでに介護に従事している人が仕事との両立をさらに楽にするための情報を提供する応用編のセミナーや、部下から介護について相談されたときに上司はどのように応対すべきかを学ぶセミナー等を企画しています。 

伊東:ライフイベントの問題を抱えながら仕事をしていくための組織のサポートや知恵は、現実的で切実なテーマです。ほかの会社さんも、間違いなく「なるほど」と参考にされるでしょう。

ダイバーシティを活かせるリーダーを育てる

伊東:優秀な女性を登用していくための仕組みは設けていらっしゃいますか。

安井:現在の上位職の女性は、一般職のような形で入社し、その中で仕事の面白さを知り、頑張ってきた人たちです。ですから、これまでも、優秀な女性は評価し、引き上げてきました。今後は、そこに拍車をかけたいと思っています。各部署に課長職候補となりうる女性の名前を挙げてもらい、その人が課長職になるにあたり足りないと考える経験やスキルを積極的に与えていく、ということを考えています。

伊東:変化の激しい現代にあって、かつての男性型ではないリーダーをつくっていくことも重要です。

安井:求められるリーダー像が変わってきていると感じます。「俺の背中を見て育て」というのではなく、部下の話を聞き、コーチング的手法で部下を導き、いろいろな意見を統合できるリーダーが求められています。当社の社内研修で、グループリーダー(部長の下の階層)、チームリーダー(課長級)向けに、そうしたリーダーシップを半年間かけて鍛えるものがあります。多様な部下がいる中で、どんなチームをつくり、その人たちを活躍させるためにどんな行動をするかを考えさせ、毎月振り返りをしながら、リーダーシップのスタイルを変えていくという研修です。自分と同じような考えの部下をつくるのではなく、多様な考え方や価値観を持った部下それぞれが自分の持っている力を100%発揮して活躍できるような環境を作る上司を育てる、まさにダイバーシティの理念に基づいた管理職育成研修です。

伊東:ダイバーシティ推進室は人事部内の他部署とどのように連携しているのですか。

安井:人事部内の取り組みとして、横連携しています。社内研修は人材開発グループと協働で企画をしたりしますし、制度に関わる部分は労制グループと連携しています。働き方改革は主担当の労制グループに、ダイバーシティ推進室も加わって連携して時間外労働削減や有給休暇消化率アップ等の課題に取り組んでいます。
また育休から復帰した社員の面接の仕組みも労制グループとともに作りました。
育休取得時の評価のあり方は、評価を担当している人事グループとともに検討しました。
ダイバーシティの推進は、今まで社内にあった「当たり前の価値観」を変えたりバージョンアップさせたりすることだと思っていますので、人事部内他部署との協力が不可欠だと感じています。

伊東:私も、ダイバーシティを推進するということは、リーダーシップのあり方そのものが変わらないと難しいと考えています。そして、そのポジションで何ができるかを考え、リーダーになること、ポジションを得ることがワクワクするようになることが大事だと、私も、常日頃から強く問題意識を持っています。
そして、何よりも、女性リーダーの輩出には、まだ沢山の乗り越えなくてはならない課題がある中、安井さんが、着実にひとつ一つ現実的な課題を解決されているお話は、多くの重厚長大な企業さんにとって参考になる点が多いと感じました。ありがとうございました。

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会社名
三井化学株式会社
設立年月日
1997年10月1日
設立年月日
1955年7月1日
資本金
125,053,116,199円
従業員
13,447人(連結 2016年3月31日現在)
主な事業内容
ヘルスケア事業、モビリティ事業、フード&パッケージング事業、基盤素材事業