リーダーシップ開発の投資対効果:優れたリーダーがもたらす利益を数値化する

研修を「コスト」ではなく「戦略的成長エンジン」に変えるカギとは?
世界中の組織は、年間3,700億ドル以上をリーダーシップ開発プログラムに費やしていると推定されています。それにもかかわらず、リーダーシップ研修は、しばしば特典や「形式的なチェック項目を満たすための活動」として扱われることが多く、重要なビジネス戦略として十分に認識されていないのが現状です。その背景には、予算が厳しくなると、こうしたプログラムは真っ先に削減対象になりやすい点があります。また、リーダーシップ開発への投資対効果(ROI)や、重要な課題解決に果たす役割を、株主が軽視しがちなことも一因です。しかし、これに投資しないことで生じるコストが想像以上に大きいとしたらどうでしょうか?リーダーシップ開発が収益の向上、さらには生産性や従業員の定着率改善のカギとなる可能性があるとしたら、どのような価値を見出せるでしょうか?
人材開発担当者は、リーダーの行動変容や成長を観察しながら、慎重にプログラムを設計しています。しかし、それが具体的にどのような成果をもたらすかを、業績に責任をもつ経営幹部に証明するのは容易ではありません。一方で、組織が戦略的にリーダーシップ開発に取り組み、その結果を効果的に測定すれば、目を見張るような成果が得られます。
そのカギは、アプローチの転換にあります。説得力をもって費用対効果を示せる事例を作るには、プログラムの完了率や満足度のスコアといった従来の指標だけでは不十分です。プログラムを業績と結びつけることで、人事や人材開発担当者はリーダーシップ研修を組織成長の重要な推進力として位置づけられるようになります。
リーダーシップ開発のROIを測定することが重要な理由
研修の満足度や完了率といった従来の指標は、研修の質を測る基準として一定の役割を果たします。しかし、それだけでは実際のビジネスへの影響を十分に捉えきれない場合があります。経営陣や株主が真に求めているのは、リーダーシップ開発のROIが、収益や生産性の向上、離職率の低下といった具体的な成果で示されることです。一方で、チーム内のコミュニケーションや意思決定能力の向上、人間関係の改善といった定性的な効果も軽視すべきではありません。これらのソフトスキルの指標は、以下のように具体的な成果と結びつけることで、より重要な意味をもつようになります。
- コミュニケーションの改善により、プロジェクトのスケジュールが短縮される。
- 意思決定の質の向上により、コストのかかるミスが減少する。
- 強固な人間関係により、従業員の定着率が向上する。
リーダーシップ開発と具体的なビジネス成果が結びつくと、人材開発担当者は投資の重要性をデータに基づいて訴求することができます。このアプローチは予算の確保だけでなく、拡大にも役立ちます。さらに、職場におけるレジリエンスや適応力の向上、そして長期的な競争優位性を構築するための重点戦略として位置づけることも可能です。
リーダーシップ開発のROIを測定する方法
測定可能なROIを得るには、リーダーシップ開発プログラムを組織のビジネスの推進要因(ビジネス・ドライバー)や目標と合致させる必要があります。重要なのは、形式的なチェック項目を満たすことではなく、組織の具体的な目標を達成するための能力開発アプローチを設計することです。では、どこから始めればよいのでしょうか?本コラムでは、リーダーシップ開発が測定可能なビジネス価値を生み出す5つの方法と、自社のビジネスに与える影響を測定する手法について解説します。
リーダーシップ開発が
・離職率に与える影響を測定する方法
・生産性に与える影響を測定する方法
・顧客満足に与える影響を測定する方法
・安全性と品質に与える影響を測定する方法
・収益に与える影響を測定する方法

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■執筆者:DDI調査チーム
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