同社は、住宅設備機器の製造および販売における優れた実績を持つメーカーです。近年においては、国内市場に留まらず、海外市場への進出を積極的に推進しています。このようなグローバル展開は、同社の事業戦略の転換点として重要な位置を占めております。

過去において、同社は昇格後の社員（係長や課長代理相当）の能力評価と人材開発のため、ヒューマン・アセスメント（HA）を長期に渡り実施してきました。しかしながら、企業戦略の転換に伴い、グローバル市場への進出を目指す中で、国内外で活躍できる人材の育成が新たな課題として浮上しました。国内だけでなく海外拠点の人材も含めたアセスメントや研修について従来の集合型実施方法では困難であったため、新たな実施スタイルが求められました。

そこで、グローバルコンピテンシーで能力測定が可能な「Manager Ready®」プログラムを導入することとなりました。このプログラムは、グローバルおよび国内の比較を通じて、自社の人材の位置付けを把握することが可能であり、同時にLeadership Insight Inventoryを実施することで、リーダーシップ育成の可能性を示す貴重な結果を提供します。

この取り組みは、国内外を問わず優れた人材を適切に評価し、育成することによって、企業の持続的な成長とグローバル市場での競争力の強化に寄与することが期待されます。

アセスメントによるグローバル及び国内比較データは、これまで社外との比較を行ってこなかった企業内での人事戦略において、非常に貴重な参考情報となりました。オンライン・アセスメント実施後のデータを基に、企業は新たな人事制度の再設計プロジェクトを開始するに至りました。アセスメントデータにより、企業は自社の人材が国内外の業界標準と比較してどの位置にいるのかを把握し、これに基づいてより効果的な人事戦略を策定することが可能となります。

具体的には、グローバルおよび国内市場における競合他社との比較を通じて、企業は自社の人材育成や能力開発に関する戦略を見直す機会を得ることができます。この比較分析は、企業が自社の人材が直面している現実の業務環境と要求水準を、より客観的かつ包括的に理解するための基盤となりました。

このプロセスを通じて、企業は自社の人事制度を現代のビジネス環境や業界標準に合わせて再設計し、より効果的かつ競争力のある組織を構築するための重要な一歩を踏み出すことができます。この人事制度再設計プロジェクトは、従業員の能力開発やキャリア成長の促進、さらには企業文化の強化にも寄与することが期待されます。