Careers 採用情報
コンサルタント紹介
内藤 琢
(シニアコンサルタント)
大学卒業後、建築設計事業・教育事業・農業事業などを多角的に行うところに魅力を感じ、1社目の企業に入社。建築設計部門にて、一級建築士として学校や病院、民間企業の本社や工場などの設計を担当。グループ内の新事業の立ち上げに従事した後に、グループ全体の統括役となる社長室長に就任。全事業部の部門長たちと事業方針を立てる他、グループ全体の人材募集や、法務・経営・給与体系・システム構築を担った。MSCでは、⾃部⾨や⾃社を超え、社会全体に目を向ける考え方を根付かせることをモットーに活躍している。
現在の仕事紹介
ヒューマンアセスメント(能力診断)は様々な形態で実施されますが、私が主に担当しているのは、管理職選抜のための集合研修形式のアセスメントです。候補者には、管理職が直面する状況を仮定した演習課題に取り組んでもらい、そこで発揮される言動を観察します。演習課題の設定は多様で、部下指導や交渉の場面で我々が相手役を務めることもあります。そして、目標職務で求められる能力要件に沿って評価し、水準に達しているかを判断します。
アセスメントの種類にもよりますが、機械的に評価することは、ほぼありません。将来管理職になった姿を想定しながら、主にアドミニストレーターとの議論を通じて評価を行います。双方が安易に妥協することなく、多面的かつ徹底的な議論によって対象者の人となりを浮き彫りにします。
このプロセスを経て得られた結果を、口頭や文章で個人・組織にフィードバックしていきます。また、時には本人との面談だけでなく、上司や人事部門を巻き込んだ面談も行い、今後の成長に向けた方針や課題を共に考えます。組織への提言では、アセスメント結果としての管理職登用の可否のみならず、人材配置の検討や、若手人材の早期選抜へと議論内容が発展していくこともあります。いずれの場面でも、企業の内部に深く入り込み、率直に意見していきます。
一連の流れの中では、人物への関心はもちろんのこと、リーダーやマネジャーが直面する状況をリアルにイメージすることが必要となります。また、マネジャーが取る行動が、チームや組織にどんな正負の影響を及ぼすかを想像することも欠かせません。個人と組織の関係性を、過去・現在・未来の時間軸上で縦横無尽に考察することになります。
年間に何十何百の組織や人と対話することから、毎日のように刺激を受け、それが私たちの人間観・組織観を広げていくことに繋がります。好奇心や探求心が尽きることはありません。
前職の仕事内容が今どのように活かされているか
前職での組織統合では、経営者、社員、顧客それぞれの期待に最大限応えることを目指しました。建築設計のプロジェクトにおいても、多様で大きな期待がかかりました。それに応えるためには、どちらの場合もチームと協働することが欠かせませんでした。と、口で言うのは簡単ですが、現実には様々な人がいます。理屈を整えないと多くの人は巻き込めませんが、かといって理屈だけでは人は動きません。時に対立を辞さず意見し、また別の場面では相手尊重の姿勢で受容します。過去に遡って深く要因を洞察することも必要ですし、未来に向けて伸びやかに発想を広げることも求められます。他者が関わる全ての活動とそこでの成功体験・失敗体験が、私の基盤となっています。
原点、大切にしていること
私は、人も組織も「変えた方がいいところ」と「変えない方がいいところ」とが同居していると考えています。そして、歴史的な時間軸上に人や組織を位置付けないと、この可変・不変を見定めることはできません。過去や未来の話は、仮説・想像である以上、誰にも正解は分かりませんし、間違うことも多いでしょう。ですが、間違いを恐れて「今」の話に終始していては、物事は前に進みません。また、通り一遍の研修や取り組みで、人や組織を成長させることは難しいと考えています。もっと泥臭い現実が待っているからです。 未だ道半ばではありますが、広い視点で組織や人を包摂しながら、組織内のリアルな動きに介入し、将来に向けた価値を提供しようと、日々奮闘しています。
お客様からいただいたメッセージ
クライアント人事には、組織の目指すべき方向性と、社員個人の意志との狭間で、迷いと葛藤を抱えている人が少なくありません。本音と建て前との葛藤と言ってもいいかもしれません。その両方がテーマとなったあるクライアントとの議論において、終わり際にいただいた言葉が印象的でした。
「組織の恥ずかしい部分を聞かせてしまい申し訳ありません。こんな内容にも、人間味のある率直な意見をありがとうございます。この場は、私たちが最も“本音”を言える場です。」 組織や人を変えていくことは、一朝一夕では成しえず、息の長い取り組みとなります。これからも、実態に即した“本音”をぶつけあいながら、次代に向けた組織づくり・人づくりに貢献し続けたいと思います。